2020 年 71 巻 3 号 p. 268-271
77歳の男性,プレガバリンと漢方薬の内服によってコントロールされていた三叉神経痛が,冬の寒波によって増悪した。プレガバリンの増量を検討したが,急激な外気温の低下によって増悪した点に注目し,プレガバリンを継続しながら漢方薬を温剤に転方することで,痛みを緩和することができた。温剤として桂枝加苓朮附湯合麻黄附子細辛湯を投与した。経験的に寒証にはプレガバリンが効きにくい印象があり,温める漢方薬を併用することで,より効果的に痛みを緩和させ得る可能性が示唆された。