日本東洋医学雑誌
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臨床報告
慢性に経過する精巣痛・鼡径部痛45例の治療経験
小松 歩
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キーワード: 精巣痛, 鼠径部痛, 瘀血, 冷え, 痺れ
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2021 年 72 巻 1 号 p. 13-21

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抄録

慢性に経過する精巣痛・睾丸痛を主訴に受診した45例に行った漢方治療を検討した。
初回選択は,桂枝茯苓丸19例,当帰芍薬散8例,竜胆瀉肝湯4例,八味地黄丸3例,牛車腎気丸2例,桂枝茯苓丸と柴胡加竜骨牡蠣湯,桂枝茯苓丸と当帰芍薬散,当帰芍薬散と柴胡桂枝乾姜湯,桂枝茯苓丸加薏苡仁,五淋散,当帰四逆加呉茱萸生姜湯,柴胡桂枝湯と六君子湯,大黄牡丹皮湯,人参湯,各1例である。
45人中,29人は初回の選択薬で治癒したが,16例は,他剤へ変更し,最終的に全例治癒した。
精巣痛・鼠径部痛の治療は,瘀血を目標に,桂枝茯苓丸,当帰芍薬散などにて開始し,効果が十分でない場合,薏苡仁を追加するか,桂枝茯苓丸と当帰芍薬散の併用を考える。鼠径部から大腿部(腰部)の痛みや痺れを伴った場合は,八味地黄丸や牛車腎気丸が有効である。下半身の冷えが増悪因子である場合は,当帰芍薬散が第一選択として適当と考える。

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