日本東洋医学雑誌
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臨床報告
吃逆に対して桂枝人参湯が奏効した2症例
辻 正徳地野 充時小林 亨寺澤 捷年
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2021 年 72 巻 1 号 p. 22-26

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抄録

持続性もしくは難治性の吃逆は患者の活動度や生活の質を低下させる。そのため,治療の必要性があるものの,時に治療に難渋することがあり,西洋医学でも推奨される治療法は無い。吃逆に対する漢方治療の報告例も見られるが,調査した範囲では桂枝人参湯を用いた文献は見られなかった。今回我々は,桂枝人参湯による随証治療が吃逆に対して奏効した2症例を経験した。症例1は3年間吃逆が続く68歳男性の難治性吃逆の症例,症例2は人工呼吸管理中に発症した81歳男性の持続性吃逆の症例であった。いずれも自汗,下痢傾向で,腹候にて心下痞鞕,心下の冷えを認め,桂枝人参湯証と判断した。桂枝人参湯の投与にて症例1では徐々に吃逆の頻度が減少し,投与開始後6ヵ月で吃逆の消失を認めた。症例2では投与開始後1週間で吃逆の消失を認めた。裏寒を伴う吃逆に対して桂枝人参湯の有効性が示唆された。

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