日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
臨床報告
開心術後の強い動悸症状を伴う発作性心房細動に対して炙甘草湯が無効で柴胡加竜骨牡蠣湯が有効であった1症例
河合 幸史吉田 幸代白岩 聡本田 義博榊原 賢士加賀 重亜喜中島 博之
著者情報
ジャーナル フリー

2021 年 72 巻 1 号 p. 27-33

詳細
抄録

発作性心房細動は高齢者によく発症する不整脈であり,それによる強い動悸症状が原因で生活の質が低下することも少なくない。今回我々は発作性心房細動に対して柴胡加竜骨牡蛎湯が著効した症例を経験したので報告する。 症例は62歳男性,不安定狭心症と発作性心房細動に対して冠動脈バイパス術と肺静脈電気的隔離術を施行し,術後2日目に発作性心房細動が再発した。動悸症状の訴えが強く,モニター心電図上の発作性心房細動とは時間的に一致していた。西洋薬による標準的な薬物療法開始後も症状改善無く,退院後に外来で加療する方針となった。炙甘草湯を1ヵ月内服したが改善なく,腹診で胸脇苦満と臍傍悸を認めたことから柴胡加竜骨牡蛎湯に変更したところ著効を認め,動悸症状だけでなく発作性心房細動も改善していることが推察された。

著者関連情報
© 2021 一般社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top