日本東洋医学雑誌
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臨床報告
陳旧性骨折後疼痛に対して疎経活血湯が著効した1例
福嶋 裕造藤田 良介宮本 信宏山本 了實松 宏已坂田 雅浩
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2021 年 72 巻 1 号 p. 34-38

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抄録

整形外科領域に於いて慢性疼痛に対して治療が必要であることがある。今回,約15年前の開放骨折後の慢性疼痛に対して疎経活血湯が著効したため報告する。症例は35歳男性で,20歳時に交通事故で右下腿遠位開放骨折を受傷して骨接合術や術後感染や脚延長術などで12~13回の手術を受けた。その後毎年耐えがたい右足関節疼痛が定期的に起こった。今回同様の疼痛があったため当院を受診し,非ステロイド性消炎鎮痛剤(NSAIDs: non-steroidal anti-inflammatory drugs)を投与して無効であったが,疎経活血湯を投与して著効した。陳旧性骨折後疼痛に対して疎経活血湯を治療の選択肢の一つに入れる必要がある。

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© 2021 一般社団法人 日本東洋医学会
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