日本東洋医学雑誌
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原著
シェーグレン症候群患者における気血水の傾向
~寛解状態の関節リウマチ患者との比較~
安部 武生田村 誠朗王 康治藤原 弘之
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2021 年 72 巻 3 号 p. 227-234

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抄録

目的:シェーグレン症候群(SS)患者の気血水の状態と口腔関連 QOL の関連を検討する。

方法:SS 群(n=41)と寛解状態の関節リウマチ(RA)群(n=32)に寺澤の気血水スコア,Yin-Deficiency Questionnaire を和訳した陰虚スコア,口腔関連 QOL の質問票であるOral Health Impact Profile(OHIP)-14を収集した。気血水スコア,陰虚スコアについて SS 群と RA 群の間で比較し,SS 群のOHIP-14に対する統計解析を行った。

結果:SS 群は RA 群と比較して気血水スコアと陰虚スコアは有意に高値であり,多変量解析では陰虚スコアと 瘀血スコアが関連した。
SS 群のOHIP-14は瘀血を除く全ての証のスコアと相関関係が認められ,多変量解析で気鬱スコアが関連した。

考察:SS 患者は陰虚,瘀血が考慮され,口腔関連 QOL 低下例は気鬱に配慮すべき。

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© 2021 一般社団法人 日本東洋医学会
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