胃内停水 (水分調節障害症候群) を診断する上での胃部振水音と腹部単純写真による胃の形態の診断学的価値を検討するために, これ2つの因子と胃内停水の症候との間の関連性について推計学的に検討した。
その成績は, 胃部振水音は水分調節障害症候群の腹部症候とよく相関し, また胃のA型―この型は空気に充ちた, 低緊張性の胃壁と縦走する皺壁により特徴づけられるが―は水分調節障害症候群の全身的症候であるめまい, 耳鳴り, 鼻水, クシャミなどと相関した。
胃部振水音も胃のA型も, たがいに情報内容に若干の相違があるものの, 胃内停水の診断に有用なものであることが示唆された。