33名の高血圧患者を無作為的に対照群 (無治療群), 漢方群 (証に応じてエキス剤を投与), 洋薬群 (レセルピンとアプレゾリンを投与) の3群に分け, 1ヵ月後の血圧変化の統計学的検定を行った。
洋薬群に有意の血圧の低下が生じたが, 漢方群の血圧変化は無治療群と変らなかった。1ヵ月の期間では高血圧にたいする漢方の随証治療は無効, レセルピンとアプレゾリンの併用による現代医学的治療は有効との結論をえた。
また, エキス剤が健保採用になり公的な基金から支払を受けるに至ったため, そ薬効を明らかにする社会的責任が製薬会社に生じたこを述べ, エキス剤の多施設二重盲検試験を行うべきことを提言した。