1987 年 37 巻 3 号 p. 153-161
1956年, 相見三郎は,「癲癇の小柴胡湯療法」を本誌に発表した。以後, 彼は精力的に数多くの論文を発表したが, 彼の一連の報告は, 現代西洋医学の概念で述べられたてんかんを, 漢方薬にてどこまで治せるかを試みようとした仕事の先駆的なものであったと考えられる。
今回私は, 相見が1976年に発表した漢方方剤ならびに1975年に私信で示した漢方方剤と構成生薬が似かよった2つの漢方方剤を, 発作回数が月平均5回以上の薬剤抵抗性てんかん12例を含む計24例のてんかん患者に試み, 有効な効果を得たのでそれを報告する。