日本東洋医学雑誌
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末梢性顔面神経麻痺に対する針治療と星状神経節ブロック療法の効果検討
義元 徳祥鈴木 純二
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1987 年 37 巻 3 号 p. 207-213

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抄録

大阪市立大学医学部麻酔科ペインクリニック外来を受診した20名の末梢性顔面神経麻痺患者 (Bell 麻痺19名, Hunt 症候群1名) に対する針治療と星状神経節ブロック (以下SGBと略す) の効果を調査した。6名に対して針治療を行い (Group I), 名5に対してSGBを行った (Group II)。残る9名に対して針治療とSGBを同時に行った (Group III)。結果は Group I で6名中5名有効, Group II で5名中5名, Group IIIで9名中8名有効であった。
さらに発症から治療開始までの時期と治療成績との関係を検討すると, 2週間以内に治療開始した11症例は全例軽快治癒し, 2週間から3ヵ月の間に治療開始した6症例のうち5症例が軽快治癒した。一方3ヵ月以後に治療を始めた3症例のうち2症例は改善治癒した。以上の結果から末梢性顔面神経麻痺に対し針治療およびSGBはいずれも有効であると考えられ, また治療開始が早いほど良い治療成績が得られた。

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