日本東洋医学雑誌
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修治附子片の慢性関節リウマチに対する臨床効果とその薬理学的検討
近澤 幸嗣郎荒木 重雄玉田 太朗伊藤 清夫伊藤 裕至新井 基夫
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1987 年 37 巻 4 号 p. 297-304

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抄録

慢性関節リウマチ (RA) 患者93例に対する漢方薬による治療効果を検討した。附子として総アルカロイド量が高く, 毒性アルカロイドの低い修治附子を使用した。classical RA+ definite RA では67例中45例 (65.8%), probable RA では26例中21例 (80.7%) に有効であった。附子中毒を思わせる症状は認められなかった。従来から烏頭などに含まれる aconitine 成分がRAに有効であると報告されていたが, 一方その毒性が臨床上問題となってその使用は制限されていた。今回用いた修治附子は aconitine 成分は少ないが, 総アルカロイドの含有量が高く, 修治附子または烏頭を単剤で煎じた場合の煎液中の総アルカロイドの移行率および移行量は, 修治附子のほうが有意に高かった。以上のことから総アルカロイドとして測定されるものにも有効成分があることが示唆された。

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