日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
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抑肝散, 抑肝散加陳皮半夏の臨床的検討
江川 充松田 邦夫大塚 恭男
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38 巻 (1987-1988) 4 号 p. 251-255

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抄録

抑肝散, 抑肝散加陳皮半夏を伝統的な使用法に則り, 97例に投与した。自他覚的改善を認めた有効例は53例 (55%), 無効例は16例 (16%), 不明28例 (29%) である。この二処方の目標を明らかにする目的で, 有効例の症状, 感情性格傾向, 腹証を調べた。自覚症状として, 不眠, 頭痛, 筋攣縮, 眼痛, 倦怠感, 頸肩こりが多く, 感情性格傾向では, 表情が固い, 焦燥感, 抑鬱, 強迫, 怒りっぽいが多い。腹証では, 胸脇苦満, 腹皮拘急, 臍動悸が30%を越える。悪化症状については, 有効例53例中17例 (32%) に出現しており, 服薬開始後1週間以内に出現し, 焦燥感の亢進, おしゃべり, 怒りっぽいなどが認められた。副作用と考えられるものには, 下痢, 胃のもたれ感が各1例ずつ認められた。この二処方の目標としては, 頭痛, 筋攣縮, 眼痛, 倦怠感, 頸肩こりの身体症状を訴える, 体格中等度からやせ型の特殊な神経症が適切と考えられる。

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