日本東洋医学雑誌
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舌所見と血液粘度の関連性に関する研究
土佐 寛順寺澤 捷年檜山 幸孝坂東 みゆ紀鳥居塚 和生
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1988 年 39 巻 2 号 p. 117-127

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抄録

気血水の異常が舌診所見に反映されるか否かを検討するために, 血液のヘマトクリット値, 全血粘度 (実測値, 補正値) および血漿粘度を指標として, 舌診所見との相関を検討した。舌診所見は色調, 腫大, 萎縮, 歯痕, 亀裂, 鏡面, 地図状 (剥奪) および舌苔についてそれぞれ程度に応じて分類した。血液粘度は円錐平板型粘度計を用いて, ずり速度19.2sec-1と384.0sec-1の2点での実測粘度, 補正粘度, さらに Casson 粘度, Casson 降伏値を求めた。舌診所見の各々の程度と血液粘度の値とを比較検討した。淡白舌は血液粘度の低下と相関し, 舌の暗赤色はヘマトクリット値の上昇と相関を示した。腫大舌では補正粘度は低く, 萎縮舌では補正粘度は高値であった。また, 地図状舌では血液粘度は上昇し, 舌苔高度群では補正粘度は低下していた。以上よりヘマトクリットで補正した血液粘度は津液過剰病態で低下し, 津液不足病態で上昇することが示唆された。

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