脳幹部血管障害に伴って出現した高体温症の2例に対し, 白虎加人参湯を投与して良好な結果を得た。第1例は51歳男性で, 脳幹部出血として当院脳外科に入院。発症直後より時に40℃に達する高体温が持続。諸治に応じないため入院後, 約4ヵ月後に和漢診療室を紹介された。第2例は58歳男性, 脳幹部梗塞と診断され当院脳外科に入院。とじ込め症候群 (lockedin syndrome) を呈し, 高体温を伴った。高体温は諸治に反応せず, 発症後, 約6ヵ月後に和漢診療室を紹介された。両症例に対し白虎加人参湯を投与し, 石膏を15g/日より漸増したが, 石膏が50g/日に達した時点で高体温の下降が得られた。