日本東洋医学雑誌
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漢方治療が奏功した夜尿症の2症例
松田 治己寺澤 捷年高橋 宏三黒岩 卓夫土佐 寛順
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1989 年 39 巻 4 号 p. 273-277

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抄録

今回我々は, 漢方治療が有効であったと考えられる夜尿症の2症例を経験した。第1例は10歳女児で, 腹部不快と夜尿を主訴として来院した。起立時の血圧低下を伴い, 夜尿が毎日1~2回みられた。苓桂朮甘湯エキスと小建中湯エキスを投与したところ, 服薬2日目から食欲の改善がみられ, 服薬11週後には, 夜尿が週1度に減少した。第2例は, 8歳女児で, 頻尿・尿失禁, 夜尿を主訴に来院した。日中及び夜間の尿失禁がみられた。小建中湯エキスを投与したところ, 三ヵ月の服薬により, 日中の失禁が消失し, 夜尿も量と回数の減少をみた。

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