日本東洋医学雑誌
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薬酒の中医学的考察 (II)
組成徴と方義解析
王 元武赤堀 幸男
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1989 年 39 巻 4 号 p. 279-294

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抄録

薬酒方剤の組方原則と組方形式について歴代の方書を参照し, 中医学基礎理論の立場から詳細な論述を行い, 薬酒方剤に固有の特徴を指摘する。
薬酒方剤の組方形式は単味・多味・成方の三類に大別され, 薬酒以外の中薬方剤とは異なる特徴を持つ。この中の多味薬酒に関しては方剤処方の衍化が数多く認められ, これらの具体例を引用して考察を加える。また薬酒中の薬物組成関係を実例をあげて説明し, 薬酒の製法にも論及する。製法には浸法と醸法の二種がある。
さらに各論として単味・多味・成方の各薬酒について代表例をあげ, これらの析意分位図を示してその方義解析を実施し, これにより薬酒方剤に関する理解を深めると共に, 臨床上にも正確・有効な薬酒使用の領域を示す。
これら薬酒一般の特徴は, 全て酒の特性に基づくものと結論される。

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