1991 年 41 巻 4 号 p. 227-231
本邦では成人型 Still 病は, 現在のところ比較的希な疾患とされている。ステロイド剤の減量に抵抗し, 抗リウマチ剤も無効であった Chronic Articular Polycyclic Systemic Type と考えられる成人型 Still 病に対し, 柴苓湯エキス剤を併用し, 効果を認めた症例を文献的考察を交えて報告した。症例は柴苓湯併用後, 3ヵ月位から白血球数の改善, CRP値および血沈値の正常化を認め, 関節痛などの臨床症状の改善も伴った。それまでは困難であったステロイド剤の減量も可能となった。