日本東洋医学雑誌
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動脈硬化症と耳朶皺襞 (Diagonal Ear Lobe Crease) との関連性についての検討
〓血の臨床的一所見としての有用性について
小林 陽二福生 吉裕赫 彰郎金川 卓郎
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1992 年 43 巻 2 号 p. 263-273

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抄録

動脈硬化症や血栓症に伴う〓血状態の臨床的判定の一助として Diagonal Ear Lobe Crease (ELC) の有無判定が有用か否かを768名の健康診断受診者を対象に行った。その結果, ELC (+) 群において高血圧者や心電図異常者の頻度およびTC,β-Lp, Atherogenic Index などの血清脂質は有意に高く, Apo AI, Apo AI/B ratio は低値傾向, Apo AII は有意に低値であった。各種疾患で入院中の患者34例を対象に行った寺澤らの診断法による〓血度測定とELCの有無判測の結果, ELC (+) 群で有意に〓血度は高かった。以上の成績からELCと動脈硬化症は関連性が高いものと考えられ, 動脈硬化症や血栓症に伴う〓血の判定においてELCの有無判定を考慮して良いものと考えられた。動脈硬化症は未病の状態と考えられることから, ELC有無判定のような簡易な方法で〓血状態を臨床的に診断できることは有用であると思慮定れた。

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