1993 年 44 巻 1 号 p. 15-23
平成1年12月から平成2年6月まで千葉大学耳鼻咽喉科外来に口内乾燥を主訴として来院したシェーグレン症候群 (SjSと略) 4例について, 同大学第1内科において, 症例によっては現代医薬を併用し漢方治療を行った。
漢方方剤としてはエキス製剤および煎剤, 丸剤を用いたが同名方剤でも煎剤のほうが有効と考えられた。
治療経過については唾液分泌量を指標とした。4例中1例に正常化がみられた。他4例には多少なりとも唾液分泌量の増加をみとめた。したがって口内乾燥症状に多少なりとも漢方治療が有効であったことから, QOLに幾分なりとも寄与するものと考えられる。