日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
原発性胆汁性肝硬変に対して漢方治療を試みた1例
萬谷 直樹土佐 寛順田中 伸明楊 孝康寺沢 捷年
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 45 巻 4 号 p. 905-910

詳細
抄録

症例は79歳女性。皮膚〓痒感を訴え, 胆道系酵素, 血清ビリルビン値, IgMの上昇, 抗ミトコンドリア抗体, M2抗体の陽性などから原発性胆汁性肝硬変 (PBC) と診断。証にもとづき真武湯を開始。皮膚〓痒感が軽快しないため, 梔子柏皮湯を併用したところ, 〓痒感はその翌日には消失していた。その後, 漢方とウルソデオキシコール酸を併用したところ, 血清ビリルビン値の低下をみとめた。漢方とウルソデオキシコール酸の併用療法はPBCの減黄に有効である可能性が示唆された。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top