日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
Acoustic Rhinometry で証明しえた葛根湯加川〓辛夷の鼻閉塞に対する即時的効果
山際 幹和
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 46 巻 1 号 p. 83-89

詳細
抄録

葛根湯加川〓辛夷の速効性を立証すべく, アレルギー性鼻炎患者 (26歳, 男性, 陽表熱実証で水滞あり) の感冒様症状後に生じた鼻閉塞を目標に葛根湯加川〓辛夷エキス顆粒を常用量 (2.5g) 投与し, Visual Analogue Scale (VAS) と近年開発された Acoustic Rhinometry (AR) でその即時的効果の自他覚的評価を試みたところ, それが, 以下のように, 極めて明白であることを証明しえた。
1) VAS-鼻閉塞感得点は, 服用後70分まで直線的に下降し, それと経過時間の回帰に有意性があった (P<0.05)。そして,服用後70分以降は, 徐々に再閉塞が生じることが観察された。
2) ARで評価した右+左最小鼻腔断面積と右+左鼻腔容積は服用後60分間は直線的に増加し, それらと経過時間の回帰の有意性が示された (ともにp<0.05)。その後は, いずれも漸減し, 服薬前の値に近づいた。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top