1995 年 46 巻 2 号 p. 243-249
工学系において信号波形の歪の程度を数値化する場合, 歪率と呼ぼれる係数がよく用いられる。著者らは脈波形状の違いを歪率で定量的に表すことが可能かどうかを考察するため, 74例 (20~40代の男性, 74名) の脈波についてフーリエ解析を行い, その脈波の歪率を算出した。記録した脈波を Dicrotic notch と Ejection wave の振幅比により費兆馥らの脈波模型で平脈, 滑脈および弦脈といわれている形状に選別し, それら3群の歪率を比較した結果, 歪率で形状の違いを定量的に表すことができた。