日本東洋医学雑誌
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口内炎に対する黄連湯エキス剤の効果について
岡 進
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1995 年 46 巻 3 号 p. 439-445

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抄録

急性アフター性口内炎の患者18人に対して黄連湯エキス製剤を経口投与し, その効果を検討した結果, 対照として自然経過を観察した無処置群および口腔用ステロイド軟膏 (デキサルチン軟膏口腔用0.1%) 局所塗布の群各5人宛に比して, 疼痛消失および治癒までの日数の何れも明らかに短縮が認められた。また, 2名の慢性再発性口内炎の患者に黄連湯エキス製剤を投与した結果, 両名共一旦は急性疾患の場合とほぼ同様の経過で症状の軽快がみられたが間もなく再発し, 1例は同剤を1ヵ月投与後無効のために六君子湯エキス剤に変更し, 1週間投与後治癒した。他の1例はそのまま同剤を4ヵ月間投与を続けた結果治癒し, その後再発を見ていない。
これらの結果から黄連湯エキス製剤は特にアフター性口内炎の急性期に有用であったと考える。

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