日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
主に桂枝加朮附湯が著効を示したカルバマゼピンのアレルギー性薬疹を有する三叉神経痛の1例
佐藤 恭道別部 智司雨宮 義弘
著者情報
ジャーナル フリー

1995 年 46 巻 3 号 p. 471-474

詳細
抄録

三叉神経痛の治療薬としてカルバマゼピンは広く用いられているが, その副作用も種々報告されている。今回われわれはアレルギー性薬疹のため, カルバマゼピンの服用を中止した症例に対して, 主に漢方製剤によって疼痛を消失し得た症例を経験したので報告する。治療中, 東洋医学的診断と共に症状の変化や睡眠, 排泄などの生活状態を参考に「証」を決定した。その結果, 症例は主に水毒に寒 (冷え) の症状が加わったものと診断した。そこで桂枝加朮附湯を投与したところ, 疼痛は緩快し, その後の経過も良好であった。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事
feedback
Top