1996 年 46 巻 4 号 p. 547-554
多発性脳梗塞と〓血との関連性について検討した。MRIで多発性脳梗塞を指摘された患者59例 (62.8±9.5歳, 男性43例, 女性16例) と無所見の対照群18例 (61.2±9.3歳, 男性11例, 女性7例) について〓血スコア, DEA, 赤血球集合能を測定した。多発性脳梗塞患者では対照群に比し〓血スコアが高く (P<0.0001), 微小循環障害も認められた (P<0.01)。脳梗塞巣の分布からみると皮質枝の支配する領域の梗塞で, 特に微小循環障害が強かった (P<0.05)。症候性脳梗塞と無症候性脳梗塞について検討したところ, 両者で〓血・微小循環障害が認められたが, 赤血球集合能は症候性脳梗塞において有意に亢進していた (P<0.05)。特に皮質枝系脳梗塞においてこの傾向が強く認められた。