日本東洋医学雑誌
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吉益東洞『建珠録』に登場する越中の僧達
真宗僧侶の東洞医説受容の一形跡
寺澤 捷年土佐 寛順伊藤 隆三潴 忠道嶋田 豊
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1996 年 46 巻 5 号 p. 735-746

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抄録

吉益東洞の『建珠録』に記載された4人の越中の僧侶達, すなわち第43症例・玉潭, 第34症例・僧樸, 第2症例・誓光寺主僧, および第37症例・勝楽寺後住について, その伝記等を調査し, 東洞との出会いの時期, ならびに記載された症例の病態について検討した。
これら越中の僧侶達はすべて浄土真宗の僧侶であり, 彼らは『建珠録』に記載された全54症例の中で, 東洞の医説を積極的に受容したと考えられる特異な例であることが分かった。
吉益東洞の医説とこれを受容したこれら僧侶達の思想的背景に共通する要素のあることを考察した。

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