日本東洋医学雑誌
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Helicobacter pylori に対する漢方製剤を用いた除菌療法の検討
東田 元矩 照幸鈴木 智恵小坂 星太郎高橋 利彰奥野 資夫石崎 武志
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1997 年 47 巻 5 号 p. 803-812

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抄録

Helicobacter pylori (HP) の除菌治療は, 抗生物質に胃酸分泌抑制剤, 抗原虫剤などを加えた多剤併用療法により, 高い除菌率が報告される一方で, 副作用や薬剤耐性菌の出現などが問題となっている。また近年では, 防御因子製剤の併用により, HP除菌率の上乗せ効果や, 副作用の軽減も報告されている。著者らは, 粘膜防御剤に代わり, 従来より胃疾患に効能を示す漢方製剤を用いて, HPの除菌治療を行った。対象はHP陽性患者137名で, Omeprazole (OPZ) および Amoxicillin (AMPC) に漢方製剤を併用した。半夏瀉心湯との併用群では85%の患者に除菌効果が得られ, 副作用も少なく受容性は良好であつた。漢方製剤のHPに対する抗菌活性は, In vitro では MIC90は2000μg/ml以上と高値であり, 除菌治療にあたっては, 胃酸分泌抑制剤や抗生物質との併用が必要であると考えられた。

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