1999 年 49 巻 4 号 p. 597-605
AAラットの血液所見, 血清アルブミン, シアル酸, 酸可溶性蛋白値 (ASGP) の経時的観察によって, 漢方五処方の作用メカニズムを検討した。疎経活血湯は血清炎症指標, 血小板数及び関節腫脹の経過の改善が顕著であることより, AAラットにおける抗炎症効果がもっとも強く, 〓苡仁湯も有効性のあることが明らかであった。また, AA発症初期から投与すると改善効果が顕著である疎経活血湯は, 自己免疫の制御に対する作用を持つことが考えられる。桂枝加朮附湯はこれに対して増悪影響のあることが認められ, また, 投与期間が長くなると増悪効果が増強されることが明らかであった。