1999 年 49 巻 5 号 p. 859-863
通年性アレルギー性鼻炎成人男性患者2名 (症例1: やや陰証, 虚実中間証, 上熱下寒, 気逆, 水滞有り, 症例2: やや陰証, 実証, 上熱下寒, 水滞傾向有り) の協力を得て, acoustic rhinometry (客観的鼻腔幾何学的形態計測法) を用いて麻黄附子細辛湯エキス顆粒 (TJ-127) と同エキスカプセル (NC127) の鼻閉塞に対する即時的効果を各々異なった日に評価する機会を得た。症例1では, NC127服用後60分までに右+左鼻腔容積 (NCV) は漸減し, その後は漸増したが, 観察期間中に投薬前の値を明らかに越えることはなかった。他方, TJ-127の服用後50分頃より, NCVは漸増した。症例2では, TJ-127服用後15分頃より, また, NC127服用後50分頃よりNCVは漸増した。以上の成績は麻黄附子細辛湯エキス顆粒は同エキスカプセルより即効的であることを示唆している。