日本東洋医学雑誌
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原発性胆汁性肝硬変に柴苓湯・ウルソデオキシコール酸併用療法が奏功した一症例
浅岡 俊之鈴木 輝彦
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1999 年 50 巻 1 号 p. 49-55

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抄録

近年, 原発性胆汁性肝硬変症に対してジヒドロキシ胆汁酸であるウルソデオキシコール酸が有効であることが明らかとなり, 広く臨床で用いられている。一般肝機能検査所見の改善のみならず, 上昇した血清IgMの下降や抗ミトコンドリア抗体価の低下などの免疫パラメータの改善, さらに胆管周辺のリンパ球浸潤の減少などの組織学的所見の改善も観察されている。今回我々は, ウルソデオキシコール酸投与により一般肝機能検査所見の改善が認められたものの, IgM高値, 赤沈の促進, 血中総胆汁酸高値および全身倦怠感の持続した症例に柴苓湯を併用し, そのいずれもが改善した症例を経験したので報告する。

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