1999 年 50 巻 3 号 p. 451-454
放射線治療における皮膚障害発現の予防に対して桂枝加竜骨牡蛎湯の効果を検討した。対象は肺癌の診断で60Coによる放射線療法を行った10例のうち, 完遂できた9例 (平均50.3Gy) である。放射線療法の間, 3例に桂枝加竜骨牡蛎湯を内服させた。高度な放射線皮膚障害 (皮膚剥離) は非内服群でのみ認めた (6例中4例)。内服群3例は, 全て皮膚剥離を示さず, 放射線治療を終了した。放射線治療中における皮膚障害の進行抑制において桂枝加竜骨牡蛎湯の効果が示唆された。