2000 年 50 巻 5 号 p. 841-850
NIDDM患者141例 (男95例, 女46例, 平均年齢61.3±10.1歳) について糖尿病性細小血管症の発症・進展に対する和漢薬治療の効果について検討した。そのため, 糖尿病細小血管症の重症度を糖尿病罹病年数, 和漢薬治療歴ごとに検討した。その結果, 腎症は和漢薬治療歴が長いほど重症度は有意に低かった。神経症および網膜症は罹病年数の短い群では統計学的有意差はなかったが和漢薬治療歴が長いほど重症度が低い傾向があった。
糖尿病性細小血管症に対して和漢薬の併用が有効である可能性が示唆された。