2000 年 51 巻 1 号 p. 1-6
生後1年までに3回以上腹診できた正常健康児28例の腹診の変化を調べた。初回は生後1週までに行い, その後は乳児健診時に腹診した。胸脇苦満は19例で, 心下部の抵抗, 臍上悸はいずれの症例でも認めなかった。腹直筋の緊張は17例でいずれの月齢でも認めた。小腹不仁は15例でいずれの月齢でも認めたが, 月齢と共に陽性率は低下した。正中芯は生後1週で19/28例, そのうち11例はその後いずれの月齢でも認めなかった。7~10ヵ月では1/15例で陽性であった。小腹不仁, 正中芯の結果は生後1年までに速やかに腎が発達してゆくためと考えられる。腹力は21例でいずれの時期も2.5~3/5であった。