日本東洋医学雑誌
Online ISSN : 1882-756X
Print ISSN : 0287-4857
ISSN-L : 0287-4857
婦人科癌症例における抗癌化学療法後の血小板減少症に対する十全大補湯とM-CSF併用療法の有用性
丹羽 憲司橋本 緑玉舎 輝彦
著者情報
ジャーナル フリー

2000 年 51 巻 3 号 p. 447-454

詳細
抄録

婦人科癌化学療法後の血小板減少症を示した, 20症例, 31コースに関して検討した。血小板数10万以下となった症例に対して, 十全大補湯とM-CSFを併用投与した。上記加療にて, 31コース中28コースは血小板輸血を回避したが, 3例3コースは血小板輸血を施行した。また, 化療後で十全大補湯単独投与の前後では, TGF-β1は著増し, 抗腫瘍作用を高める可能性があると考えられた。したがって, 抗癌化学療法中の血小板減少症に対して, 十全大補湯とM-CSFの併用療法は有用な補助療法と考えられた。

著者関連情報
© 社団法人 日本東洋医学会
前の記事 次の記事
feedback
Top