日本東洋医学雑誌
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医学部学生, 基礎・臨床医学教員における東洋医学の教育, 研究および診療の動向
笠原 多嘉子越石 直巳木暮 守宏相馬 利光池本 英志久光 直子石野 徳子久光 正
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2002 年 53 巻 4 号 p. 357-366

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抄録

東洋医学教育の転換期に当たり, 昭和大学医学部・病院における東洋医学の動向をまとめた。96年の学生, 基礎・臨床医学教員および薬剤部を対象としたアンケート調査を基にして, 99年, 00年の追跡調査を加えた。東洋医学とはどういうものかという認識度は, 学生においてはこの4年間低いままであったが, 東洋医学, 特に漢方薬に対する興味は強まっていた。96年には, 基礎医学教員の約20%が東洋医学の研究を行っていた。臨床医学教員の約40%は漢方薬を処方しており, 西洋医学では対処し難い慢性病に効果があると考えていた。薬剤部の調査によると, この4年間に, 漢方薬の処方量, 処方される漢方薬の種類は著しく増加した。今後, 漢方薬が一層有効に適用されるためには, 適切な卒前教育が必要であること, また, 東洋医学に興味を持つ医学教員は, 東洋医学の基礎・臨床についての卒後教育の機会を求めていることも判明した。

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