日本東洋医学雑誌
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清暑益気湯が奏効した気管支喘息の3症例
関矢 信康引網 宏彰古田 一史小尾 龍右後藤 博三柴原 直利嶋田 豊寺澤 捷年
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2004 年 55 巻 6 号 p. 811-815

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抄録

難治性の気管支喘息の3症例に対して咽喉不快感, 動悸, 自汗を目標として清暑益気湯を投与した。目標とした症状および所見は速やかに改善した。さらに発作の回数が著明に減少あるいは消失した。そのほか3症例に共通していた事柄は中年期であること, 発作が通年性であること, 心窩部不快感, 心下痞〓, 臍上悸を認めることであった。これまで清暑益気湯は夏やせ, 夏まけに対して用いられることが多かったが中年期の気管支喘息の長期管理薬 (コントローラー) としても認識されるべき処方であると考えられた。

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