日本東洋医学雑誌
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腸癰湯が有効であった9症例に基づく使用目標の検討
関矢 信康地野 充時小暮 敏明巽 武司引網 宏彰柴原 直利喜多 敏明寺澤 捷年
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キーワード: 腸癰湯, 便秘, 浮腫, 皮膚乾燥, 〓血
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2006 年 57 巻 4 号 p. 443-447

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抄録

腸癰湯は『備急千金要方』を原典とする処方で急性・慢性腸疾患, 皮膚疾患, 肺化膿症などに応用されてきた。我々は種々の疾患に対して腸癰湯が有効であった9症例を経験した。自覚的には更秘を訴える者が多かった。これらの症例を検討した結果, 共通した他覚所見としてこれまで重要であるとされていた右臍傍圧痛, 回盲部圧痛, 腹直筋緊張の他に, 皮膚乾燥, 浮腫傾向 (顔面, 上肢, 下腿), 舌質の色調が正常であるものが多い傾向がみられた。これらが新たな使用目標となることが示唆された。

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