1983 年 57 巻 3 号 p. 260-272
急性上気道炎患者に対する非ステロイド抗炎症・鎮痛剤Sulindacの有効性と安全性および有用性についてIbuprofenを対照薬として多施設二重盲検法により比較検討した. 試験薬投与期間は4日間で, 1日投与量はSulindacは300mg, Ibuprofenは900mgとした.
有効性および有用性評価例はSulindac群141例, Ibuprofen群150例で, 安全性評価例はSulindac群144例, Ibuprofen群152例であった. 解析の結果, 症状別評価では落痛症状 (6項目) および局所炎症症状 (4項目) のうち3日目評価では頭痛, 腰痛および扁桃発赤で, 5日目評価では腰痛でSulindac群はIbuprofen群に比べ有意な改善がみられた他は全身・気道症状 (8項目) ならびに最終全般改善度, 概括安全度および全般有用度において両薬剤間に有意差は認められなかった.
以上からSulindacは急性上気道炎に対してIbuprofenと同等の効果を示す有用な薬剤と考えられる.