B型肝炎ワクチン (米国メルク社製) の本邦健康成人における接種成績
1985 年 59 巻 4 号 p. 366-372
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1985 年 59 巻 4 号 p. 366-372
B型肝炎ワクチン (米国メルク社製H-B-VAX) を病院職員70例に接種し, HBs抗体価測定と副反応の調査を行なった.また, 接種後の被接種者の細胞性免疫能について検討を加えた.
抗体陽転率は1ヵ月45.7%, 3ヵ月88.6%, 6ヵ月90.5%, 9ヵ月95.5%であり良好な抗体反応を得た.70例中39例 (55.7%) については, 抗体反応良好のため6ヵ月目の第3回接種を省略した.抗体陽転化をみなかった, いわゆるnon-responderは3例 (4.3%) であった.
副反応は局所反応として腫脹・硬結・熱感・騒痒などが1.2～21.9%に認められた.全身反応の倦怠感・頭痛・悪寒などは1.8～17.8%に認められたが, 37.5℃ 以上の発熱は1例もなかった.GPT上昇を1例に認めたが一過性であった.全体としての副反応発現率は17.8%であり, 軽微で臨床上問題となるものはなかった.
ワクチン接種後の細胞性免疫能 (T・B細胞百分率, OKT3・4・8および4/8比, PHA・ConAによるリンパ球幼若化試験) は, 検査の結果, 特に問題は認められなかった.
