感染症学雑誌
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黄色ブドウ球菌敗血症の研究
第1報メチシリン・セフェム耐性黄色ブドウ球菌敗血症について
島田 馨岡 慎一鈴木 宏男稲松 孝思浦山 京子
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1985 年 59 巻 5 号 p. 459-463

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抄録

東京都養育院付属病院の黄色ブ菌敗血症は1973~79年までは年間2~9例であったが, 1980~83年は年間11~20例と増加した. この血液から分離された黄色ブ菌に対するDMPPCとCEZのMICを測定すると, 1977年以前の分離株はすべてDMPPCとCEZに感性であったが, 1980年以降分離した63株中39株が両者に耐性をしめした. メチシリン・セフェム感性の黄色ブ菌敗血症は1973~83年の間, とくに増加していないが, これにメチシリン・セフェム耐性黄色ブ菌敗血症の加わって, 1980年以降の黄色ブ菌敗血症が増加したと解された. メチシリン・セフェム耐性黄色ブ菌敗血症例は, メチシリン・セフェム感性黄色ブ菌敗血症例に比して低蛋白血症が多く, また発症前2週以内にβ-lactam剤を使用された例が有意に多かった (p<0.01).

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