感染症学雑誌
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ラット慢性細気管支炎モデルにおける気管支随伴リンパ組織 (BALT) の組織学的検討
岩田 政敏佐藤 篤彦
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1990 年 64 巻 5 号 p. 557-563

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抄録

慢性気道感染症の病態, 難治化要因を究明するため, serum sensitiveなムコイド型緑膿菌混入寒天ビーズをSDラット気管内に注入することにより, ラット慢性細気管支炎モデルの作成を試みた. 同時に, 本実験系におけるBALTの組織反応の面からも検討を加えた. 肺内緑膿菌量の推移では, 菌液を4.7×106cfu注入すると, 1日目に108cfuに増加し4日目より漸減するが, 28日目にも104cfu認められた. 肺組織所見においては, 7日目までは末梢気道壁, 気腔内に著しい好中球をみたが, 以後リンパ球や泡沫細胞が主体となり, さらに肉芽組織も観察され, いわゆるDPBの組織像と極めて類似していた. 一方, BALTではHEVの顕在化, リンパ球流入像やリンパ管でのリンパ球集籏像がみられた. また, 胚中心も7日~28日目まで観察され, BALT過形成による気道狭窄像も認められた. 以上の所見から, 緑膿菌持続感染に対する肺局所免疫にBALTの関与が示唆され, BALTの経時的免疫動態を明らかにすることは, 慢性気道感染症の病態解明に寄与するものと考えられる.

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© 日本感染症学会
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