感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
Print ISSN : 0387-5911
ISSN-L : 0387-5911
14員環マクロライド剤が緑膿菌の走化性および黄色ブドウ球菌発育抑制作用におよぼす影響
荻野 純山田 俊彦菊島 一仁藤森 功後藤 領小銭 太朗久松 建一村上 嘉彦
著者情報
ジャーナル フリー

1994 年 68 巻 2 号 p. 191-195

詳細
抄録

14員環マクロライド剤であるエリスロマイシン (EM) およびロキシスロマイシン (RXM) が, 緑膿菌の示す抗黄色ブドウ球菌発育抑制作用および走化性へ与える影響について寒天平板希釈法を用いて検討を行った. 実験に使用した緑膿菌株は標準株ATCC27854および喀痰からの臨床分離株であり, 黄色ブドウ球菌株はEM, RXMに耐性であるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌 (MRSA) を用いた.
黄色ブドウ球菌発育抑制作用は, EM, RXM共に1.56μg/mlまで良く保たれていたが, 100μg/mlでは観察されなくなった.
12.5μg/mlの濃度までは緑膿菌の走化性に大きな変化は認められなかったが, 12.5μg/mlを越えると著明に走化性の抑制がみられた.
14員環マクロライド剤には, プロテアーゼ, エラスターゼ, ピオシアニン等緑膿菌の病原因子への抑制作用が証明されているが, さらに今回の実験で明らかにされたように走化性についても抑制作用を示す事実が明らかとなった. この事実は14員環マクロライド剤の新たなる薬理作用を示唆すると共に, 緑膿菌と黄色ブドウ球菌との細菌相互関係について今後さらに解明が必要であると考えられる.

著者関連情報
© 日本感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top