感染症学雑誌
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高濃度グルコースによるヒト好中球の抗カンジダ活性に対する抑制効果と, アミノ酸添加によるその抑制効果の低下
丹生 徹沖永 功太丹生 茂安部 茂山口 英世
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1996 年 70 巻 5 号 p. 463-469

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抄録

ヒト好中球のCandida albicans発育阻止能が, 中心静脈栄養 (IVH) に用いられる高カロリー輸液によりどのように影響を受けるか検討した.ヒト好中球が, C.albicansの発育を阻止するin vitro実験系において, グルコース濃度を1~2%に高めることによって, ヒト好中球の抗Candida活性は強く抑制された.これに対して, 市販高カロリー輸液の添加により, グルコース濃度を上昇させても, ヒト好中球の抗Candida活性の低下は, ほとんど認められなかった.この中に含まれるグルコース拮抗物質について検討を行った結果, アミノ酸分画に有効成分が存在することが明らかになった.このアミノ酸分画には, dexamethasoneの好中球機能抑制をも緩和する効果が認められた.さらに再機構アミノ酸混液でも同様の結果が得られた.したがって, 高カロリー輸液にアミノ酸液が混入されているのは, 通常の栄養補充の目的以外にも, 好中球機能の保持という面でも有用であり, 適切な濃度のアミノ酸液を投与することが重要と考えられた.

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