抄録
酸性電解水は, 現在, 多種多様な機種より生成され使用されている.本検討では, 酸性電解水の殺菌における塩素量とpHの影響を明確にすることを目的に行った.Staphylococcus aureus, Staphylococcus epidermidis, Pseudomonas aeruginosaの3株を用い, 強酸性および弱酸性電解水のpH領域を希塩酸と水酸化ナトリウムで作製した擬似的酸性水を用い, 酸性電解水と比較した.pH5~6では, 塩素量50og/lで3菌株に即効的な効果が認められ, 6時間開放放置でも塩素量の消失はなかった.また, pH2.67~2.80, 塩素量5mg/lで3菌株に殺菌効果があり, 6時間開放放置で80%塩素量が残留していた.以上のことから, 少量の塩素で殺菌するのであれば, pH2.7前後の強酸性電解水を生成直後に使用し, 安定した殺菌力が望まれる環境清掃などには弱酸性電解水の使用が適していると考えられた.