感染症学雑誌
Online ISSN : 1884-569X
Print ISSN : 0387-5911
ISSN-L : 0387-5911
1996年夏期に主として関東地方およびその他の地域の臨床施設において分離された下痢原性大腸菌に関する検討
特に大腸菌O157について
小林 寅哲大澤 宏充原田 賢雑賀 威金山 明子村岡 宏江内野 卯津樹長谷川 美幸佐藤 弓枝沼田 紀義橋口 則重西田 実
著者情報
ジャーナル フリー

1997 年 71 巻 6 号 p. 495-500

詳細
抄録

1996年6月から9月の4カ月間に, 主として関東地方の医療機関において, 下痢症状を示す患者の糞便, 21,609検体から, O抗原血清型により下痢原性大腸菌と判定される29菌型, 157株を分離した.これらの菌株のうち, 腸管出血性大腸菌に分類される血清型をもつ臨床分離Escherichia coli 114株についてVero毒素産生能を検討した.E.coli O157の34株のうち, 実際にVero毒素産生能を有し, Vero毒素産生大腸菌 (VTEC) と判定されたものは26株 (76.5%) で, 8株 (23.5%) が毒素非産生であった.これらのVTEC26株のうち20株はVT1およびVT2の両毒素を産生し, 6株はVT2のみを産生した.その他にE.coli O26の4株, 0125および0126の各1株がVero毒素を産生した.血清型から腸管出血性大腸菌と分類した114株のうち, 合計32株 (4菌型) でVero毒素の産生が認められた.
今回の検討で分離したE.coli 0157はampicillin, doxycyclin, levofloxacin, fosfomycin, chloramphenicolおよびpolymyxin Bに高い感受性を示し, 特にlevofloxacin, polymyxin Bfosfomycinには耐性株はみられなかった.

著者関連情報
© 日本感染症学会
前の記事 次の記事
feedback
Top