感染症学雑誌
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Oral streptococciに対する貧食殺菌に及ぼすグロブリン製剤の影響
金子 明寛山根 伸夫佐々木 次郎
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1997 年 71 巻 7 号 p. 659-663

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抄録
口腔外科領域において重症な感染症患者から分離されたStreptococczas intermediusおよびStreptococcus oralisに対する貧食殺菌能をヴェノグロブリン-IHが投与された患者血清および好中球を用いて検討を行った.
その結果, 両菌種に対する好中球貧食能はヴェノグロブリン-IHの投与に関係なく約10cells/好中球であったが, 殺菌能はヴェノグロブリン-IHの投与後3日目の血清および好中球で軽度患者血清および好中球に比べ10倍程度高かった. また, 両試験菌に対するヴェノグロブリン-IHの凝集抗体価を測定した結果S. intermediusに対しては32倍, S. oralisには16倍で同菌種の基準株に比べ明らかに高い値を示した.
この事から口腔外科領域における重症感染症患者から分離されるoral streptococciには常在菌とは異なる何らかの抗原性を有しヴェノグロブリン-IHが投与された患者好中球に貧食され易くなっている事が示唆された.
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© 日本感染症学会
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