感染症学雑誌
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口腔内細菌に対するニューキノロン系およびマクロライド系抗菌剤の効果
江口 徹清水 康光古畑 勝則福山 正文
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2002 年 76 巻 11 号 p. 939-945

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抄録

歯周病原因菌を含む口腔関連細菌基準株21種24株と1993年から1999年にかけて歯周病患者から分離されたPorphyromonas gingivalis20株およびActinobacillus actinomycetemcomitans7株の計51株に対するニューキノロン系抗菌剤4種およびマクロライド系抗生物質4種の計8薬剤のin vitroでの最小発育阻止濃度 (MIC) を測定した. なお, 比較対照薬として現在歯周病患者の治療に用いられている塩酸ミノサイクリンを用いた. この結果, マクロライド系抗生物質は供試した基準株のうちFusobacterium nucleatum, Eikenella corrodensおよびA. actinomycetemcomitansを除く口腔関連菌に対し1μg/ml以下の抗菌活性を示した. ニューキノロン系抗菌剤は, Eikenella corrodmsおよびA. actinomycetemcomitansに対し0.2μg/ml以下の良好な抗菌活性を示した. 臨床分離株については, ClarithromycinがP. gingimlisに対しMIC90が0.1μg/mlと強い抗菌力を示した. LevofloxacinとCiprofloxacinはA. actinomycetemcomitansに対しMIC900.013-0.025μg/mlと極めて強い抗菌力を示した.

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