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感染症学雑誌
Vol. 77 (2003) No. 10 P 822-829

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http://doi.org/10.11150/kansenshogakuzasshi1970.77.822


デング熱, ウエストナイル熱など世界中で蚊媒介性感染症の流行, 拡散がみられており, フラビウイルス属の国内侵入が強く懸念されている. そのために, フラビウイルス媒介蚊のサーベイランスを効率かつ有効に行えるシステム構築を念頭に, one step RT-PCR法による媒介蚊からのフラビウイルスRNAの検出条件および採集蚊の保存条件の検討を行った. 検出条件では, ISOGEN-LSおよびカラムの使用, 熱処理など検討したが, 蚊乳剤の遠心上清からISOGEN-LS抽出することが最も高感度であった. この抽出法により各ウイルスの検出感度をウイルス量 (Plaque forming unit: PFU) として評価したところ, 蚊100個体のプールからフラビウイルス共通プライマーを用いた場合は100PFU, 各ウイルス特異的プライマーでは10PFUであった. そして, 人工的に作製したデングウイルス感染蚊1個体と未感染蚊99個体のプールからウイルスRNAの検出が可能であった. また, 保存条件の検討では, 冷凍・冷蔵でなくとも室温で30日間経過してもウイルスRNA検出は同レベルで可能であった. 以上のことから, 本研究による諸条件の設定のもと, 実効性の高い, 簡便安価でかつ短時間での判定が可能なone step RT-PCR法によるフラビウイルス媒介蚊のサーベイランスへの実用が可能となり, 新たなサーベイランスシステム構築の大きな一助になるものと思われた.

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