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感染症学雑誌
Vol. 78 (2004) No. 3 P 262-269

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http://doi.org/10.11150/kansenshogakuzasshi1970.78.262


インフルエンザ流行期には, インフルエンザの潜伏期間に入院し入院後に発症した患児やインフルエンザで入院した患者が発端者となり, 小児病棟内でインフルエンザが流行することがある. ノイラミニダーゼ阻害薬の投与が家族内や高齢者施設内でのインフルエンザ伝播防止に有効とされているが, 院内感染防止にノイラミニダーゼ阻害薬を使用した報告はない. 2002-2003年のインフルエンザシーズンに, 関東圏の2つの病院の小児病棟においてインフルエンザの院内発症があり流行の拡大が懸念されたため, 保護者の同意を得て, 流行終息目的でオセルタミビルの予防内服 (2mg/kg/dose, 最高75mg/dose, 1日1回, 7-10日間) を実施した. 院内発症した事例は3回 (A型1回, B型2回) あり, のべ29名の患児が病棟においてインフルエンザ患者に接触した. インフルエンザ発症者はオセルタミビル (治療量) を内服し, 隔離した. 3事例を通して, 予防内服を行わなかった16例のうち11例 (69%) がインフルエンザを発症した. 一方, 接触24時間以内にオセルタミビル予防内服を開始した13例では, インフルエンザの発症はなかった. 予防内服による副反応は認められなかった.

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