肝臓
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原著
リバビリンの全身クリアランス (CL/F) は貧血に伴う減量・中止に対する最も感度の高い因子である
豊田 成司狩野 吉康赤池 淳大村 卓味佐藤 隆啓山崎 克桑田 靖昭飯野 四郎
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2005 年 46 巻 3 号 p. 107-118

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抄録

リバビリン投与時の貧血のリスクの全てを含む因子である全身クリアランス (CL/F) を用いて, リバビリン中止・減量の予見性を検討した. CL/F 15L/hr以下がリバビリン減量・中止に対する最も強い影響因子と同定された. CL/Fを4分位で検討すると, CL/F 15L/hr以下はリバビリン減量のリスク (高齢者, 女性, 低体重, 腎機能低下) であり, リバビリン血中濃度および投与中のヘモグロビン値の低下はCL/Fに依存していた. リバビリンのCL/Fはリバビリン血中濃度の定常期の指標ということから投与4週目のリバビリン濃度と有意に相関していた. CL/Fと4週目のリバビリン実測濃度の相関式から投与4週目のリバビリン濃度を予測すると, 有効性・安全性に関わる重要な濃度として2000-2500ng/ml が想定された. また, バビリン減量のリスク群であるCL/F 15L/hr以下の症例では, 貧血による減量の可能性が投与1週目のヘモグロビン変化量から推定可能と考えられた.

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© 2005 一般社団法人 日本肝臓学会
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